首里城で沖縄(琉球)の歴史に触れる③

首里城の下之御庭で伝統芸能公演を鑑賞します。

 残念ながら、首里城での伝統芸能公演は、2020年現在休止中です。

琉球舞踊について

 琉球舞踊について

 沖縄(琉球)で伝統文化として、継承されている舞踊の総称をいいます。通称として、琉舞とも呼ばれます。琉球舞踊は2009年9月2日に国から重要無形文化財の指定を受けています。 琉球舞踊は、三線(さんしん)、箏(こと)、笛、太鼓、胡弓(こきゅう)で構成され、琉球古典音楽に合わせて踊ります。

 琉球舞踊は、古典舞踊、雑踊り(ぞうおどり)、創作舞踊に大別されます。

 琉球王朝時代は男性宦氏やその子弟のみによって踊られていました。しかし、琉球国の崩壊した明治以降、特に戦後は多くの名だたる女流舞踏家が誕生し、琉球舞踏は今日確固とした地位が確立しています。

 

琉球舞踊の主な種類について

古典舞踊

 古典舞踊には、老人踊り、女踊り、若衆踊り、二才踊り、内組踊りがある

 

老人踊りとは

 老人踊りには、宴の冒頭で踊られる祝儀舞踊で、子孫繁栄と長寿をその主題とします。「かぎやで風(かじゃでぃふう)を始め、島内各地の村踊りとして残る「長者の大主(ちょうじゃのうふしゅ)」に二分されます。老人踊りはよく演目のはじめに演じられ、伴奏にのって踊ります。

 

女踊りとは

 女踊りは、古典舞踊を代表する踊りです。女踊りの装束は、朱色または紅型の胴衣(どぅじん)、下半身には裙(すそ・かかん)を纏(まと)い、腰に巻いた紫長巾に紅型衣装の打掛を挟む「前壺折(めーちぶり)」の着付けです。髪は垂髪(かむろう)に結い。紫長巾を頭に巻き、椿(つばき)や牡丹をあしらった花飾りなどをつけます。主に愛や恋を主題としたものが多い。舞踊構成は、舞台下手から出る「出羽(んじふぁ)」、主題を成す「中踊り(なかうどぅい)」、舞台下手に帰る「入羽(いりふぁ)」の三部構成を基本としています。

 

若衆踊り

 若衆踊りは、若衆(元服前の少年)による舞で、国家安泰や長寿などを予祝し寿ぐ意味合いが強い踊りです。若衆は、男でも女でもない無性とし、衣装は振袖、引き羽織をまとい、朱色の足袋を履き、髪は中世の真結い(まーゆい)を結い菊花や金色の椿(つばき)の花などの飾りをします。演目は、「特牛節(くてぃぶし)」、「若衆ぜい(わかしゅぜい)」、「四季口説(しきくどぅち)」、「若衆揚口説(わかしゅあぎくどぅち)」、などがあります。琉球王朝時代時代には、多くの演目があったが、今日多くのものが失われました。

 

二才踊り

 二才踊りとは、二才(元服した青年)の栄えや、五穀豊穣を寿ぐ内容が主な踊り。古典舞踊の中で二才踊りが特異なのは、冊封使の前ではなく、1609年の薩摩藩の侵入後、在藩奉行の前、あるいは江戸上がりで披露されたといわれます。衣装は黒色の袷
(あわせ)に白黒の脚絆(きずな)に白足袋を履き、髪は成人男性のカタカシラにカンサシ、ウシザシの二本の麾(き・ぜい)で留める侍風のいでたちです。踊りの手にも、空手や棒術など武道の手技が取り入れられ、力強い踊りとなっています。演目は、「上り口説(ぬぶいくどぅち)」、「下り口説(くだいくどぅち)」、「前の浜(めーのはま)」、「麾(き・ぜい)」、「湊くり節(んなとぅくいぶし)」、「揚作田(あぎつぃくてん)」、「江佐節(かさぶし)」のほか、組踊から派生した踊りもある。

 

組内踊り

 組打ち踊りとは、男女あるいは美女と醜女、という風に対照的な関係にある者たちの者たちの心の持ちようを主題とした踊りで「醜童(しゅんだう)」に代表される。醜童は古典舞踊の中で継承されている唯一の仮面舞踊です。

 

雑踊り

 雑踊りとは、庶民の生活や思いを主題とした踊りで、躍動感あふれる軽快な踊りが特徴的です。衣装は、素足または白足袋に、芭蕉布や絣(かすり)など日常の着物で踊られ、琉球の風俗習慣が映し出されています。演目は、「花風(はなふう)」、「浜千鳥(ちじゃやー、はまちどぅい)」など多数あります。

 

若衆踊り  演目「特牛節(くてぃぶし)」

創作舞踊  演目「日傘踊り」

女踊り  演目「古典女七踊り」別名「真踊り」

二才踊り

組内踊り (その①)

組内踊り (その②)

フィナーレ (その①)

フィナーレ (その②)